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寛永十八年(1641)の衣装発見!

平成十一年初夏、町内の旧家の土蔵から当山の御人形の衣装らしき上着が出てきたと届けられました。調べると現在の御人形衣装と形も図柄もほぼ一致するもので、裏地に“寛永十八年新調”と銘記され、この銘記が証明されれば祇園祭二番目に古い衣装となります。

郭巨山の唐笠

 元来は、郭巨の人形には笠があったと思われます。 天和の頃(1681)の郭巨山の図にも、宝暦年間(1751~)の「祇園御霊会細記」にも、郭巨は笠を冠っている図が見受けられます。 勿論、天明の大火後の寛政の再建時にもこの笠が新調されていて「寄進帳」にも寛政元年(1789)のところに「御笠一」と記載されており、依然笠は用いられたのですが、 明治以降は、雨天時にのみ用いられて使用を止めていたようです。
 竹を網代に編み表面をうるみ色の漆塗りとし、内面を装金箔置とした径1尺8寸の巾子付の饅頭笠で真紅の紐が付けてあります。 直近では、昭和57年(1982)の雨天の巡行時に笠を付けて順行いたしましたが、それ以降御蔵の片隅に隠れており、平成19年、25年ぶりに御蔵の整頓時に古文書類と共に日の目を見ることとなりました。

江戸時代の屏風の絵には人形に帽子がかぶされています

見つかった帽子 出てきたばかりで少々ホコリをかぶっています

内面は金箔で装飾されています

平成12年の巡行時の様子

八坂神社絵馬堂には郭巨山の巨大絵馬

八坂神社絵馬堂に、昭和五十五年の御人形衣装の新調を記念した、巨大絵馬が掲げられています。上村松篁画伯の郭巨山巡行図を入れた壮大な絵馬です。20数年の歴史を感じさせる面持ちとなりましたが、八坂神社へお参りの際はぜひ一度ごらんになってください。