伝統の中心、会所
現状記された文献で最古のものが室町時代、脈々と受け継がれた郭巨山の保存と運営するための会所。
当代の郭巨山会所は、明治40年の祇園祭から利用され現在に至ります。狭い間取りの中で歴代の懸装品等の展示公開やその保管を、100年以上に渡って担ってきましたが、年月が経つに連れ、歴代装飾品の保存のため大きなスペースが必要となり、建てなおしも検討されましたが、四条通りの一等地であるがため、会所建築としての既存建物がもつ特有の意匠性や、そのものの建造物的な価値を再確認したため「京都市歴史的建築物の保存及び活用に関する条例」にのっとり、これから100年先を見据えた増築による継承を図ることとなりました。
「京都市歴史的建築物の保存及び活用に関する条例」
建築基準法では、この建築の増築に対して構造や防火などに関する遡及がかかり、そのままの姿で建築を残すことが困難であるが、会所自体に文化的価値があることを鑑み、京都市の条例を活用してこの建築を保存対象建築とし、建築基準法適用除外とし京都市と協働での基準法同等以上の地震や火災に対する安全性を担保する計画を実行し、増築による伝統継承の計画が実現いたしました。
京都市HP参照
京都市歴史的建築物の保存及び活用に関する条例
https://www.city.kyoto.lg.jp/tokei/page/0000157989.html
会所の改修工事にあたって
会所の工事にあたっては、保存会のメンバーが土壁塗りなども担う。この建築は、保存会の皆の手により後世のために守り、受け継がれていく。 そして主屋と土蔵に間に新たに架けられた大屋根の下に、主屋と土蔵の外観をそのまま内部であらわす新しい空間が創出される。
大屋根を外すことで元の状態に戻すことも可能としつつ、全体としてのまとまりをもつこの新しい建築が、現代的な四条通りの中高層建築に囲まれながらも堂々と存在する町会所として、これからの百年、そして千年と継承されることが期待される。
郭巨山町会所大改修と伝統文化の継承プロジェクトにご協力いただいた皆さま
郭巨山町会所改修工事に多大なるご支援を賜り、感謝申し上げます。
ご協力いただきました皆さまを下記リンクに掲載しております。ご協力ありがとうございました。