今年の郭巨山

郭巨山保存会が平成30年(2018)に公益財団法人の認可を受け、公益財団法人郭巨山保存会となったことを機会に永年の懸案でもあった「町会所の改修工事」に取り掛かることとなりました。

町会所の改修工事

郭巨山の町会所は四条通の南側に面して建てられておりますが、明治40年(1907)の市電敷設による四条通の拡幅により南側が削られたため、懸装品の展示公開の間取りが狭く、重なった状態での懸装品公開の時期が100年以上も続き、見学の方のご不便や懸装品の傷みについての懸念が続いておりました。

令和3年10月8日 取り壊し部分を八坂神社神官がお祓い

平成30(2018)1月に念願であった一般財団法人の認可、同年5月には公益財団法人の認可を受け、広く寄付を受けることが可能となったことを機会に、このたび長年の懸案であった「町会所の改修」を実行に移す運びとなりました。これにより町会所の耐震補強、懸装品の展示公開の場の確保、御山舁き手の着替え場の確保、会議場・勉強会の会場確保などが現実のものとなります。

町会所改修費用は、郭巨山本体、懸装品の保存維持、修理新調事業を行う費用を転用することになりました。天明5年(1785)新調の胴掛類の復元新調の事業計画は引き続き行っていきます。

町会所改修工事の寄付活動

町会所改修の工事費用を上記のように従来の事業計画費用から転用するため、また工事費用の予算増額もあり、郭巨山の保存維持のためにクラウドファンディングなど寄付活動を行います。
頂いた寄付金に心ばかりの記念品をご用意しております。
詳しくは「クラウドファンディング概要」のページをご参照ください。

コロナ禍での祭事

新型コロナウィルス感染症の流行により(公財)祇園祭山鉾連合会の決定を受け、令和2年、令和3年と2年連続で山鉾巡行は中止のやむなきに至りました。令和2年は新型コロナウィルス感染症の拡大防止のため神事以外の祭事は厄除け粽の授与だけに止め、令和3年は「御山を建てる!」の決意のもと準備を進め、「山鉾建ては自由」の山鉾連合会の通達もありましたが、新型コロナウィルス感染症の流行は継続しており「一般の方々への感染の機会が作ってはならない」の判断から祭事開始の直前に「御山建て中止」の判断に至りました。

令和2年3月 京都文化博物館別館に建てられた郭巨山

山鉾建て技術の継承の観点から、山鉾を建てた保存会もありましたが、郭巨山は令和2年の京都文化博物館での「祇園祭特別展」にて御山の実物展示として御山を建てる機会の栄を得、2年連続の「山建て機会なし」からは免れることも不幸中の幸いでした。

令和2年、同3年の郭巨山は新型コロナウィルス感染症の感染予防対策を施しながら、チマキ授与を行いました。

ご朱印を希望される方には感染予防のため集印帳に合わせた大きさの「ご朱印札」をご用意し、厄除けチマキにもお付けしました。

令和3年の新調手ぬぐいにもコロナ退散の言葉を添えました。

ご朱印札の令和4年版も作成し、町内のbarberコバヤシにて、ご志納200円にてお取り扱いしています。